トカマク(英語表記)tokamak

翻訳|tokamak

デジタル大辞泉 「トカマク」の意味・読み・例文・類語

トカマク(〈ロシア〉tokamak)

環状磁場を用いて高温プラズマを閉じ込める核融合の研究装置

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精選版 日本国語大辞典 「トカマク」の意味・読み・例文・類語

トカマク

  1. 〘 名詞 〙 ( [ロシア語] tokamak ) 環状の磁場を用いて高温のプラズマを閉じ込める核融合の研究装置。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トカマク」の意味・わかりやすい解説

トカマク
tokamak

核融合炉ドーナツ状の炉心プラズマ(→プラズマ)を磁場で閉じ込める方式の一つ(→磁場閉じ込め)。ロシアのクルチャトフ研究所でアンドレイ・D.サハロフらによって考案された。ドーナツに沿って周回する磁場(トロイダル磁場)と,プラズマ中を流れる電流がつくる磁場(ポロイダル磁場)が合成され,ねじられた磁場がつくられると,その圧力とプラズマに働く力を平衡させてプラズマを閉じ込めることが可能になる。プラズマ中に電流を流す点はピンチと共通する。同じトーラス型でもプラズマ電流を使わず螺旋状のコイルによって磁力線をねじるステラレータなどのヘリカル型と対比される。電流はジュール熱によってプラズマを効率的に加熱する役割も果たす。電流を定常的かつ効率的に流し続けることが重要な研究課題となっている。トカマクは,プラズマの閉じ込め特性のよさから,ヨーロッパ連合 EUがイギリスに設立したヨーロッパトーラス共同研究施設 JET; Joint European Torus,日本原子力研究開発機構の JT-60(改良型 JT-60U)など,世界各国で大型の実験装置が稼働した。JETは 1991年に重水素三重水素燃料による核燃焼実験を行ない,3MJ(メガジュール)の核融合エネルギー出力を得た。2005年には国際熱核融合実験炉イーター ITERをフランス南部のカダラッシュに建設することが決まった。

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百科事典マイペディア 「トカマク」の意味・わかりやすい解説

トカマク

容器内に閉じ込めたプラズマを数億度という超高温に加熱し,そのとき起こる熱核融合反応によってそのエネルギーを電力の形で取り出そうとする装置。核融合炉には炉心プラズマの閉じ込め方式によって,トカマク方式(磁場閉じ込め方式)とレーザー方式(慣性閉じ込め方式)の2種類がある。
→関連項目核融合

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化学辞典 第2版 「トカマク」の解説

トカマク
トカマク
tokamak

核融合研究において開発された高温プラズマを閉じこめるための装置.1968年に旧ソビエトの研究所において,はじめて電子温度 107 K のプラズマを数 ms 閉じこめることに成功した.その後,わが国も含め世界各国で同じような装置の開発が進んでいるが,いまだ定常的な核融合には到達していない.トカマクの名称はロシア語のток(電流),камера(容器),магнит(磁気),катчшка(コイル)の頭文字に由来するといわれている.

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