日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
トルストイ(Aleksey Konstantinovich Tolstoy)
とるすとい
Алексей Константинович Толстой/Aleksey Konstantinovich Tolstoy
(1817―1875)
ロシアの詩人、小説家。レフ・トルストイの遠縁にあたる伯爵で、ペテルブルグ生まれ。外交官として高い地位に上った。才能豊かな多作家で、歴史小説『白銀公爵』(1863)、16世紀末から17世紀初頭にかけての動乱時代(スムータ)を扱った悲劇三部作『イワン雷帝の死』(1866)、『皇帝フョードル・イワノビチ』(1868)、『皇帝ボリース』(1870)が代表作である。詩人としてはコジマ・プルトコーフの名で従兄弟(いとこ)のジェムチュージュニコフ兄弟とともに機知にあふれる風刺詩を書く一方、歴史に取材したバラードや、自然や恋を主題とするロマンスには歌曲として愛唱されるものが多い。
[島田 陽]