トロパ酸(読み)トロパサン

化学辞典 第2版 「トロパ酸」の解説

トロパ酸
トロパサン
tropic acid

3-hydroxy-2-phenylpropanoic acid.C9H10O3(166.18).アトロピンの分解生成物として取り出された.塩化イソプロピルと金属Mgから調製したグリニャール試薬フェニル酢酸に作用させたイワノフ(Ivanov)試薬[C6H5CH(MgCl)COOMgCl]をホルミル化[C6H5CH(CH2OMgCl)COOMgCl]して加水分解すると(±)-体が高収率で得られる.キニーネ光学分割すると容易に天然型の(R)-トロパ酸が得られる.ラセミ体は融点117 ℃.pKa 4.13(25 ℃).熱水,エタノールエーテルに易溶,ベンゼンに微溶.(R)-トロパ酸は融点128 ℃.+72°(エタノール).各種トロパンアルカロイドのエステルを構成する酸である.[CAS 552-63-6]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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