トロンボキサン

化学辞典 第2版 「トロンボキサン」の解説

トロンボキサン
トロンボキサン
thromboxane

略称TX.血小板およびほかのいくつかの組織で,アラキドン酸からプロスタグランジン G2,H2 を経て合成される生理活性脂質.】トロンボキサン A2(TXA2):C20H32O5(352.46).不安定で,37 ℃ における半減期は約30 s であり,すぐに安定なトロンボキサン B2 に変換される.構造は推定構造であり,合成もされていない.血漿アルブミンを共存させると,半減期は3 min に安定化される.TXA2は標的細胞の受容体に結合し,血小板の凝集促進,血管収縮,気管支平滑筋の収縮などに作用する.血栓症の原因物質として考えられている.[CAS 57576-52-0]】トロンボキサン B2(TXB2):C20H34O6(370.47).融点95~96 ℃.+57.4°(酢酸エチル).α-D-グルコピラノシドから合成されている.一般に薬理作用は弱いが,白血球の遊走の亢進作用を有し,炎症促進,止血,アナフィラキシーに関与していると考えられている.[CAS 54397-85-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「トロンボキサン」の解説

トロンボキサン

 C20H32O5 (mw352.47).

 アラキドン酸を原料に合成される一群生理活性物質.代表的な化合物である図に示したトロンボキサンA2には血管収縮作用や血小板凝集作用がある.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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