ドル・ペッグ制(読み)どるぺっぐせい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドル・ペッグ制」の意味・わかりやすい解説

ドル・ペッグ制
どるぺっぐせい

米国ドルとの自国通貨の交換レートを一定に保ち、事実上ドルに連動させる通貨制度。香港ドルの交換レートがほぼ1ドル=7.8香港ドルに維持されているのが典型例である。為替変動幅をごく狭い幅におさえることによって、また通貨バスケット制度により、アジアではドル・ペッグ制をとる国が多かったが、1997年のアジア通貨危機発生で、いずれも変動相場制度への移行を余儀なくされた。しかし香港ドルのペッグ制は、香港当局の強い姿勢で維持された。南米でもブラジルアルゼンチンがドル・ペッグ制をとっていたが、ブラジルは99年1月の通貨危機で変動相場制へ移行。アルゼンチンは「完全ドル化」の検討を表明している。

大井 誠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android