ド・ハース=ファン・アルフェン効果(読み)ド・ハース=ファン・アルフェンこうか(英語表記)de Haas-van Alphen effect

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ド・ハース=ファン・アルフェン効果
ド・ハース=ファン・アルフェンこうか
de Haas-van Alphen effect

金属や半金属中の電子は磁場が加えられると,その軌道運動は磁場に垂直な面内でのサイクロトロン運動となる。回転角速度を ω ,電子が散乱される緩和時間を τ とすると,ωτ≫1 のとき運動は量子化されて,電子のエネルギーはランダウ準位と呼ばれる「とびとび」の値をとる。このとき磁場 H を変化させるとランダウ準位がフェルミエネルギーを通過するたびに電子系の自由エネルギーは 1/H関数として振動する。このために磁化が 1/H の関数として周期的に振動する。この現象をド・ハース=ファン・アルフェン効果という。この周期の測定により,フェルミ面を磁場に垂直な平面で切った断面の極値が求められるので,金属のフェルミ面決定の測定法として広く利用されている。

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