ナンセン国際難民事務所(読み)ナンセンこくさいなんみんじむしょ(英語表記)Office International Nansen Pour Les Refugiés

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナンセン国際難民事務所」の意味・わかりやすい解説

ナンセン国際難民事務所
ナンセンこくさいなんみんじむしょ
Office International Nansen Pour Les Refugiés

ノルウェーの探検家・科学者であり人道的な活動で 1922年にノーベル平和賞を受賞した F.ナンセンの活動を継承する目的で,30年の国際連盟総会によって設立された難民救済機関。 31年国際連盟理事会の規定により独立機関となる。第1次世界大戦後のヨーロッパでは,大恐慌による大量の失業者やナチス弾圧を逃れるユダヤ人など大規模な難民が発生,22年ナンセンの主唱によりベラルーシアルメニア,ユダヤ人などの難民救済のために登録カードをつくる協定が成立した。これにより 35年末までにアルメニア人1万人がエレバン (現アルメニア) に,4万人がトルコに受入れられた。 38年ノーベル平和賞を受賞。 39年ロンドンに設立された高等弁務官事務所にその任務を託して役割を終えた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android