ネオ・ブッディスト運動(読み)ネオブッディストうんどう

百科事典マイペディア 「ネオ・ブッディスト運動」の意味・わかりやすい解説

ネオ・ブッディスト運動【ネオブッディストうんどう】

インド新仏教徒運動。出自である不可触民の地位向上にその生涯を尽くしたアンベードカルは,不可触民がヒンドゥー教にとどまっている限りは向上はあり得ないと決意し,1956年,30万人(50万人とも)の不可触民とともに仏教に改宗した。これら仏教徒は,旧来の仏教の信者ではないという意味で新仏教徒とも呼ばれる。新仏教徒の人口はインド総人口の0.7%。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ネオ・ブッディスト運動」の解説

ネオ・ブッディスト運動(ネオ・ブッディストうんどう)
Neo-Buddhist movement

アンベードカル指導により,インド社会で始まった被差別民の仏教改宗運動。不可触民制の撤廃にはヒンドゥー教自体の否定が不可欠であると考えたアンベードカルは,1956年に仏教への集団的な改宗儀式を行った。アンベードカルの属するマハール・カーストを中心に当運動は継承されている。改宗者をネオ・ブッディストと呼ぶが,みずからはたんに仏教徒と自称する。91年のインドの仏教徒人口は638万(総人口の0.75%)を数えるが,その多くをネオ・ブッディストが占める。

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