ネズミ(鼠)(読み)ネズミ

百科事典マイペディア 「ネズミ(鼠)」の意味・わかりやすい解説

ネズミ(鼠)【ネズミ】

齧歯(げっし)目ネズミ科および近縁の科の哺乳(ほにゅう)類の総称。進化した小型の齧歯類で,種類も個体数も多く,現生哺乳類の約3分の1,1300種を占めるといわれ,ほとんど全世界に分布する。体長は3.5〜48.5cmまでさまざま。上下顎1対ずつの門歯は丈夫で,一生のびつづける。前面がエナメル質,後側が柔らかい象牙(ぞうげ)質のため,後側が早くすりへって先はのみ状に鋭くとがる。妊娠期間14〜21日,出産当日にも受胎可能で,条件がよければほとんど周年にわたって1腹5〜10子を生み,いわゆるねずみ算式にふえる。主として夜行性。ふつうノネズミイエネズミに分けられる。 日本産のノネズミ類は約20種,山林原野,農耕地などにすむ。ネズミ亜科とハタネズミ亜科とがあり,前者にはアカネズミ,ヒメネズミ,カヤネズミなどが含まれ,種子,種実を好む。後者にはハタネズミエゾヤチネズミ,カゲネズミ,スミスネズミなどがあり,草や根を好み,農作物や森林に大害を及ぼすことがある。イエネズミ類は人家およびその付近の畑などにすみ,ハツカネズミドブネズミクマネズミの3種がある。いずれも日本在来の種ではないが,現在最も繁殖し,家具食物を食い荒らし,伝染病を媒介するなど害が著しい。またダイコクネズミナンキンネズミハムスターコトンラットなどは実験用,愛がん用に飼育される。 なおジネズミ,トガリネズミ,ジャコウネズミなど食虫目にもネズミの名で呼ばれるものが多い。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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