ノグサ(読み)のぐさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノグサ」の意味・わかりやすい解説

ノグサ
のぐさ / 野草
[学] Schoenus apogon Roem. et Schult.

カヤツリグサ科(APG分類:カヤツリグサ科)の一年草根茎はなく、叢生(そうせい)する。高さ20~40センチメートル。茎、葉ともに細い。6~8月、長さ4~6ミリメートルの小穂をつける。小穂は葉鞘(ようしょう)とともに赤紫色を帯びる。海に近い日当りのよい湿地や休耕田に生え、関東地方以西の本州から沖縄、およびマレーシアオーストラリアにかけて分布する。名は、野の雑草という意味である。また、叢生した状態を髭(ひげ)に見立て、ヒゲソウともいう。

[木下栄一郎 2019年7月19日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のノグサの言及

【イヌノハナヒゲ】より

…たとえば白い三日月形の小穂をもつミカヅキグサR.alba (L.) Vahlは本州の高山や北海道に見られるが,さらに広くユーラシア大陸や北アメリカの寒帯に分布する。 ノグサSchoenus apogon R.et S.は近海地などの湿った砂地に生える,細い小さな一年草で,イヌノハナヒゲに近縁であるが,花柱に3個の柱頭があるなどの花部の違いで,オーストラリアを中心に分布するノグサ属に入れられる。【小山 鉄夫】。…

※「ノグサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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