ノース(Douglass Cecil North)(読み)のーす(英語表記)Douglass Cecil North

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ノース(Douglass Cecil North)
のーす
Douglass Cecil North
(1920― )

アメリカの新制度学派の経済学者。マサチューセッツ州ケンブリッジ生まれ。1952年、カリフォルニア大学バークリー校で博士号を取得。ワシントン大学、ライス大学、ケンブリッジ大学教授を歴任したのち、1983年からふたたびワシントン大学教授となる。1993年、R・W・フォーゲルとともに、「経済発展と制度的変化の説明に新古典派理論と計量的手法を導入し、計量経済史を開拓」したとして、ノーベル経済学賞を受賞した。

 ノースはアメリカ、ヨーロッパの長期的な経済発展を研究し、諸制度が経済成長に果たした役割を分析した。1860年以前のアメリカの経済成長を説明する際、新古典派理論によって解明した。海運業の研究では、技術的な変革よりも、制度や組織上の変革のほうが海運の発展に大きな役割を果たしたことを実証した。1970年代以降は、財産権などの制度の確立が経済発展に果たす役割を分析した。

[金子邦彦]

『竹下公視訳『制度・制度変化・経済成果』(1994・晃洋書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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