ノールト・ブラバント(読み)のーるとぶらばんと(英語表記)Noord-Brabant

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノールト・ブラバント」の意味・わかりやすい解説

ノールト・ブラバント
のーるとぶらばんと
Noord-Brabant

オランダ南部の州。「北ブラバント」の意。総面積5082平方キロメートル、陸地面積4949平方キロメートル、人口237万5116(2001)。南部はベルギー国境に接する。肥沃(ひよく)な三角州では小麦やテンサイの栽培が行われ、マース川水系の沖積河谷では放牧が卓越する。しかし州の大部分は泥炭に覆われたやせた砂質の洪積台地で、ヒースが繁茂する。このため開発は19世紀以降と遅れたが、土壌改良によってライ麦、ジャガイモ、肉牛の混合農業が可能となった。おもな都市は、海岸にベルヘン・オプ・ゾームBergen op Zoom、沖積地にブレダ、内陸部に州都スヘルトーヘンボスがある。電気機械のアイントホーフェンEindhovenや毛織物ティルブルフなどの工業都市も発展している。ローマ時代にはマース川沿いに軍営地が建設され、中世にはブラバント公国に属した。オランダ独立時のユトレヒト同盟に参画、1648年のミュンスター講和ではブラバント南部がベルギーに帰属したのに対し、北部はオランダ側にとどまり、1795年にオランダの一州となった。住民のほとんどはカトリック教徒である。

[長谷川孝治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android