ハナズオウ(花蘇芳)(読み)ハナズオウ(英語表記)Cercis chinensis; Judas tree

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハナズオウ(花蘇芳)」の意味・わかりやすい解説

ハナズオウ(花蘇芳)
ハナズオウ
Cercis chinensis; Judas tree

マメ科の落葉低木。中国原産で,日本には江戸時代初期に渡来した。観賞用として広く庭園などに栽植される。樹高 4mに達し,円形厚質で光沢のあるなめらかな葉を互生する。葉脈は葉面の基部の一点で掌状に5つに割れ,下面は黄白緑色で葉柄両端はややふくらむ。托葉は針形ですぐ脱落する。春早く葉の出る前に,枝のところどころに紅紫色の小型の蝶形花を数個ずつじかに束生する。果実は線状長楕円形の平たい豆果で,中に種子を2~5個生じる。本種のほかにアメリカハナズオウ C. canadensis,セイヨウハナズオウ C. siliquastrumも観賞用として栽植され,これらは小高木でばら色の花をつける。

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百科事典マイペディア 「ハナズオウ(花蘇芳)」の意味・わかりやすい解説

ハナズオウ(花蘇芳)【ハナズオウ】

中国原産のマメ科の落葉低木。高さ3mぐらい。4月ころ,葉より早く長さ約2cmの紅紫色の蝶(ちょう)形花が群がって咲く。葉は互生し,ハート形で裏はやや緑白色。庭木,切花用に栽植される。繁殖実生(みしょう)または挿木による。これに似た北米産のアメリカハナズオウは高木性で,花はまばらにつく。

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