ハルス(Frans Hals)(読み)はるす(英語表記)Frans Hals

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ハルス(Frans Hals)
はるす
Frans Hals
(1581/1585―1666)

オランダ画家アントウェルペンアントワープ)に生まれたと推測される。カレル・ファン・マンデルKarel van Mander(1548―1606)に師事し、1611年ハールレム聖ルカ組合に登録された。肖像画に優れ、この分野で当時の市民生活に取材した国民的な絵画を基礎づけた功労者である。1616年の作品『聖ゲオルギウス市民隊の幹部たちの宴会』(ハールレム、ハルス美術館)は、集団肖像画に新境地を開いた代表作として名高い。集団肖像画における彼の画面構成の多様さと、人物の巧みな性格描与は、後世追随を許さないとさえいわれる。単独の人物画では『陽気な酒飲み』(アムステルダム国立美術館)や『つばの広い帽子をかぶった男』(カッセル国立コレクション)が代表作で、瞬時の表情をとらえる奔放な筆触は「印象派的」との評もある。晩年は不遇で、ハールレムの養老院で世を去った。この養老院は現在ハルス美術館となっている。

[野村太郎]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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