ハルマラアルカロイド

化学辞典 第2版 「ハルマラアルカロイド」の解説

ハルマラアルカロイド
ハルマラアルカロイド
harmala alkaloid

ハマビシ科Peganum harmala,トケイソウ科Passiflora incarnata,キントラノオ科Banisteria caapiなどの種子に見いだされる一群アルカロイド
(1)ハルマリン(harmaline),
(2)ハルマロール(harmalol),
(3)ハルミン(harmine),
などが知られているが,いずれもカルボリン骨格をもつインドールアルカロイドに属する.微黄色ないし赤色の結晶で,希酸,熱水,熱エタノールに可溶,水に難溶.溶液は黄緑色ないし青色蛍光を呈するので,酸塩基蛍光指示薬(pH 7.2青→8.1黄)として用いられる.ハルマリンは6-メトキシトリプタミンをグリコールアルデヒドと縮合閉環し,90% リン酸で脱水して合成されている.薬理効果としては,モノアミンオキシダーゼを阻害して中枢神経興奮作用があり,鎮静,催眠,麻酔の目的で用いられる.また,抗原虫作用があり,駆虫薬としても用いられる.ハルミンはLD50 243 mg/kg(マウス,皮下).

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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