ハンキン(読み)はんきん(英語表記)Edward Charles St. John Hankin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハンキン」の意味・わかりやすい解説

ハンキン
はんきん
Edward Charles St. John Hankin
(1869―1909)

イギリス劇作家。『2人のウェザビー氏』(1903)をはじめ、放蕩(ほうとう)息子体面を重んじる父や兄から金をせしめる話を扱った『放蕩息子帰宅』(1905)など、彼の作品はほとんどが中流上流階級を扱った風刺劇で、流れとしてはG・B・ショーを中心とする写実的問題劇に属するが、観念が先行して人物情緒が乏しく、しかも風刺が度を超えて冷笑になっているので、構成が巧みなわりには人気がない。

[中野里皓史]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハンキン」の意味・わかりやすい解説

ハンキン
Hankin, St. John

[生]1869. サウサンプトン
[没]1909. ウェールズ,ラドナ
イギリスの劇作家。グランビル=バーカーや G.B.ショーとともにエドワード朝演劇復興の一翼をになって新劇運動展開。『放蕩児帰る』 The Return of the Prodigal (1905) をはじめとする写実喜劇で,中産階級因襲に痛烈な皮肉と冷笑を浴びせた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android