ハーバート(1st Baron Herbert of Cherbury, Edward Herbert)(読み)はーばーと(英語表記)1st Baron Herbert of Cherbury, Edward Herbert

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ハーバート(1st Baron Herbert of Cherbury, Edward Herbert)
はーばーと
1st Baron Herbert of Cherbury, Edward Herbert
(1583―1648)

イギリスの理神論者、哲学者、軍人外交官詩人オックスフォード大学に学ぶ。アリストテレスキケロのほか新プラトン主義、新ストア主義、懐疑論の影響を受けるが、F・ベーコンや17世紀の自然科学の流れには無縁であった。彼は真理の基準を個人の内面的確信、伝統、権威などに置くことに反対し、理性による「普遍的な同意」に求めた。人間の自然的本能には生得的な「共通概念」があり、なかでも宗教の場合には五つの共通概念がすべての宗教の基本となるとした。このように彼は理性宗教ないし自然宗教を規定し、その実質を現世的徳に求めた。この点での理神論の父とよばれるが、またデカルトガッサンディにも強い影響を及ぼした。

[小池英光 2015年7月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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