バイエル(Fredrik Bajer)(読み)ばいえる(英語表記)Fredrik Bajer

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

バイエル(Fredrik Bajer)
ばいえる
Fredrik Bajer
(1837―1922)

デンマークの平和主義者。ネストベズ近郊に生まれる。兵学校卒業後、1864年に対プロイセン、オーストリアとの戦争に従軍、翌1865年除隊後、語学に励み、フランス語、ノルウェー語スウェーデン語を修得した。1872年に下院議員に選出され、以後23年間議員を務めた。この間、バイエルは国際平和、デンマークの中立スカンジナビア団結、女性の権利拡張などに力を注いだ。デンマークの独立維持には中立しかないと考え、1882年デンマーク中立促進協会を設立、さらに国際平和運動でも活躍、1885年第1回スカンジナビア平和会議、1889年の列国議会同盟など、多くの国際会議に出席し、指導的役割を果たした。とくに1890年ロンドンで開かれた第2回世界平和会議では国際平和運動のための恒久的機関の設立を提唱。のちにこれが実現して国際平和局International Peace Bureauが設立され、その初代事務局長に任命された。このような努力が評価され、1908年にスウェーデンのアルヌルドソンとともにノーベル平和賞を受賞した。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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