バイオテレメータ(英語表記)biotelemeter

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バイオテレメータ」の意味・わかりやすい解説

バイオテレメータ
biotelemeter

野生動物に取付け,生理の働きや行動を遠隔的に知る目的で開発された小型発信機。発信機だけの場合もあれば,生理状態を測定する各種センサを組込む場合もある。重さは種によって異なり,ネズミ大の動物で約 2g,クマのような大型動物には 1kg程度のものが使われる。国内のフィールドワークでは,ハム無線の受信機が利用できるよう,発振周波数は 50~169MHzの範囲が使われる。渡り鳥の調査など,衛星を使って地球規模で追跡する場合の発振周波数は 401MHz程度である。年間を通して,体温脈拍変動や,行動範囲,生息範囲,日周活動などがわかるほか,死亡センサを組込むことで,死亡時間,死亡場所,死亡率の推定なども可能となる。バイオテレメータを使った測定 (バイオテレメトリー) により,野生動物の生態が明らかにされ,その保護活動にも役立っている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android