バリシア石(読み)ばりしあせき(英語表記)variscite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バリシア石」の意味・わかりやすい解説

バリシア石
ばりしあせき
variscite

含水リン酸アルミニウム鉱物。メタバリシア石metavarisciteほかもう一種とは同質三像関係にある。堆積(たいせき)岩中に脈あるいは団塊をなし、また低温熱水鉱脈鉱床中に石英や銀星石とともに脈石鉱物として産する。岐阜県大垣市昼飯(ひるい)花岡山のものは前者の堆積岩中に脈の形で、静岡県下田市河津(かわづ)鉱山閉山)のものは後者に属する。アメリカ、ユタ州フェアフィールドFairfield産の団塊は美しい淡緑色緻密(ちみつ)なもので、飾り石として珍重されている。命名は原産地ドイツの一地方名フォクトラントVogtlandの古名バリシアVarisciaにちなむ。

加藤 昭 2018年5月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android