バロン・ランドゥン(英語表記)Barong Landung

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バロン・ランドゥン」の意味・わかりやすい解説

バロン・ランドゥン
Barong Landung

インドネシア,バリ島の仮面舞踊劇。村に危難がふりかかったとき,魔力を追払うため上演される。ヌサ・ペニダ島から悪魔ジェロ・ゲデ・メチャリンが悪魔たちを従えてバリ島に上陸し,村を破壊すると恐れた村人が,僧侶に相談して巨大な人形を作って対抗し,悪魔を追払ったという伝説を素材とする。神聖視される人形は身長 2mの巨大な男女一組で,男はジェロ・ゲデといい,ふくらんだ頬,真赤な唇,がっしりとした体驅の持主。女はジェロ・ルーで,とび出た額と顎をもち,しゃがれ声を発する。骨組みを竹で作り肩の上に乗せる。演者が音楽に合せてふらふらと歩き回る不安定な姿に滑稽さを表わしている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

メタン

化学式 CH4 。最も簡単なメタン系炭化水素で,天然ガスの主成分をなしている。また石炭ガスにも 25~30%含まれる。有機物の分解,たとえばセルロースの腐敗,発酵の際に生成され,沼気ともいわれる。また...

メタンの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android