バンタン王国(読み)ばんたんおうこく(英語表記)Bantěn

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンタン王国」の意味・わかりやすい解説

バンタン王国
ばんたんおうこく
Bantěn

西部ジャワ、スンダ地方に16世紀に成立したイスラム王国。1527年ごろ中部ジャワのドウマ王国の支援を受けたイスラム教指導者スナン・グスン・ジャチがバンテン港とジャカトラジャカルタ)周辺の地域を征服し、その子ハサスソデンが初代スルタンとなった。1550年ごろからバンテン港は胡椒(こしょう)の積出し港として、また中継貿易港として重要となった。1596年オランダ船隊が初めて来航し、ついでオランダ東インド会社は同地に商館を開いたが、スルタンとオランダ人との関係はつねに悪く、オランダ人は1619年にジャカトラに根拠地を建設し、バタビアと命名した。その後も両者対立は続いたが、1682年に完全にオランダ東インド会社の支配下に入った。

生田 滋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android