バンデイラ(遠征隊)(読み)ばんでいら(英語表記)bandeira

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バンデイラ(遠征隊)」の意味・わかりやすい解説

バンデイラ(遠征隊)
ばんでいら
bandeira

16~17世紀、ブラジルの植民地時代に、大西洋沿岸の諸集落から内陸に向けて派遣された大規模な遠征隊のうち、サン・パウロを根拠地とするものをさす。別称エントラーダentrada、参加者をバンデイランテbandeiranteという。貴金属、宝石探査インディオ奴隷の捕獲を目的とした。ポルトガル系白人のみでなく、マメルコとよばれた白人とインディオの混血、先住民のインディオが混成部隊をつくり、内陸のスペイン系イエズス会の教化集落を襲い、定住化し始めていたインディオを多数捕獲し、砂糖農園などへ奴隷として売却した。サン・パウロがとくに盛んだったのは、同地方が北東部沿岸の砂糖農園のような輸出産業を発展させることができなかったからであった。1693年にはサン・パウロのバンデイラがミナス地方で金を発見し、18世紀中ごろまでのゴールド・ラッシュを引き起こした。彼らの活動によってブラジルの国土は当初の3倍近くに拡大した。

[山田睦男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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