日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
バーンズ(Thomas Barnes)
ばーんず
Thomas Barnes
(1785―1841)
イギリスの新聞編集者。ケンブリッジ大学卒業後『タイムズ』紙に入り、初め演劇批評、のちに議会報道を担当、1817年32歳で編集長となった。初め自由主義派を支持したが、情報を集めると同時に社会各層の意見を広く集めることを方針とし、『タイムズ』を国民の声を代表する機関に育て上げた。その社説は世論を伝えるとともに、これを指導する力をもつものとなった。彼の名は死亡のとき以外紙面に出なかったが、その名は知れ渡り、同時に新聞の独立は政府が恐れるほど強力なものになった。経営者ジョン・ウォルター2世(1776―1847)とバーンズの力によって『タイムズ』の声価は確立された。
[伊藤慎一]
[参照項目] |