パテール(Vallabhbhāī Jhaverbhāī Patel)(読み)ぱてーる(英語表記)Vallabhbhāī Jhaverbhāī Patel

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

パテール(Vallabhbhāī Jhaverbhāī Patel)
ぱてーる
Vallabhbhāī Jhaverbhāī Patel
(1875―1950)

インドの政治家で「インドのビスマルク」と称される。ガンディーと同じグジャラートの出身で、1918年以降その右腕として活動。1928年、グジャラートのバールドーリでの闘争で、政府の地租引上げ政策を撤回させて一躍有名になり、以来「サルダール」(指導者)の名でよばれる。「基本的諸権利」決議採択で知られる1931年の国民会議派カラチ大会では議長を務めた。インドの大資本家たちとの間にガンディーを通じて深いつながりを有し、彼らの会議派への協力を確固たるものにした。また会議派の中央と地方を結ぶ組織体系の確立もその手腕による。ネルーに比して保守的側面が強いが、現実的政治家としてよく彼を補佐し、独立後は副首相、内相を務める。彼の重要な功績の一つは、独立期の大問題であった藩王国統合の実現であり、ハイデラバードジュナーガド併合にあたって警察、軍隊導入も辞さなかった。

[内藤雅雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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