パハルプールの仏教寺院遺跡群(読み)パハルプールのぶっきょうじいんいせきぐん

世界遺産詳解 の解説

パハルプールのぶっきょうじいんいせきぐん【パハルプールの仏教寺院遺跡群】

1985年に登録されたバングラデシュの世界遺産(文化遺産)で、首都ダッカの北西に位置する、インド亜大陸最大の仏教寺院の遺跡。パハルプールは、8世紀半ばから東インドで繁栄したパーラ王朝の支配を受け、その時代に仏教が栄えて仏教寺院が多数建設された。1925年から発掘調査が行われ、ソーマプラ・マハーヴィハーラが発見された。この大僧院には、一辺約300mの正方形境内があり、厚いレンガの外周壁に沿って177の僧房が並び、1000人もの僧を収容することができた。境内の中庭には十字形プランの大祠堂が配された。現在は基壇部分が残るだけだが、東西約110m、南北約95mという巨大な基壇の壁面は2000枚ものテラコッタの浮き彫り板で飾られ、当時の生活ぶりを知る貴重な史料となっている。ソーマプラ・マハーヴィハーラのこうした建築様式がインドネシアのボロブドゥル寺院遺跡群(世界遺産)やカンボジアアンコール(世界遺産)に大きな影響を与えたことや、ヒマラヤ以南では最大規模を誇る仏教僧院であることが評価され、世界遺産に登録された。◇英名はRuins of the Buddhist Vihara at Paharpur

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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