パラディアニズム(英語表記)Palladianism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パラディアニズム」の意味・わかりやすい解説

パラディアニズム
Palladianism

1720~70年頃にイギリスを支配した建築様式。 16世紀イタリアの建築家 A.パラディオの建築作品およびその著書『建築四書』を指導原理とし,ホイッグ党の貴族たちに強く支持された。その始りは,15年に建築家 C.キャンベルがイギリスの古典主義建築の図集"Vitruvius Britannicus"を出版し,そのなかでパラディオと I.ジョーンズを称賛したことで,同年にイギリスにいたイタリア建築家 G.レオーニが『建築四書』の英訳版を出版しはじめた。しかし,パラディアニズムの中心的人物は,バーリントン卿 R.ボイルで,キャンベルにロンドンのバーリントン邸 (1718~19) を建てさせ,みずからもチズウィック・ハウス (25~29) やヨークの集会場 (31~32) をパラディオ様式で設計した。そのほか,キャンベルのウォンステッド・ハウス (15~20) ,W.ケントのホーカム・ホール (34) などが,パラディアニズム建築の代表作である。 R.アダムや W.チェンバーズの登場とともに,次第に衰退し,パラディアニズムは新古典主義に移行していった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android