ヒメアシナシトカゲ(読み)ひめあしなしとかげ(英語表記)slow-worm

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒメアシナシトカゲ」の意味・わかりやすい解説

ヒメアシナシトカゲ
ひめあしなしとかげ
slow-worm
[学] Anguis fragilis

爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目アシナシトカゲ科のトカゲ。ヨーロッパの大部分からカフカス、小アジアおよびアフリカ北西部に分布し、全長約40~50センチメートル、尾はその2分の1余りである。肩帯、腰帯の痕跡(こんせき)を残すがまったく四肢を欠くヘビ型で、眼瞼(がんけん)と耳孔とがあり、尾は自切し再生する。森林草原にすみ、昼間は石や倒木の下に潜むことが多い。行動はのろく、餌(えさ)は好んでナメクジを捕食するほか、ミミズクモ昆虫などである。卵胎生で、8、9月ごろに平均6~12頭の子を産む。長寿で、飼育下では54年間という記録が知られている。

[松井孝爾]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のヒメアシナシトカゲの言及

【アシナシトカゲ】より

…全身が硬い皮骨板に覆われ,胴は円筒形で細長く,四肢を欠くものと完全に備えたものとがあり,5亜科に分けられる。アシナシトカゲ亜科のヒメアシナシトカゲ属AnguisはヒメアシナシトカゲA. fragilis1種のみからなり,腰帯,肩帯の痕跡は残るがまったく四肢を欠くヘビ型。スカンジナビア半島の北極圏付近からカフカス地方に至るヨーロッパ全域,小アジアおよび北アフリカに分布し,全長40~50cm,尾はその1/2~2/3を占める。…

※「ヒメアシナシトカゲ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android