ビコ(Stephen Biko)(読み)びこ(英語表記)Stephen Biko

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ビコ(Stephen Biko)
びこ
Stephen Biko
(1946―1977)

南アフリカ共和国黒人意識運動の指導者。東ケープ州キングウィリアムズタウンに生まれる。ナタール大学在学中(1966~1972)、南アフリカ政府の人種主義政策に反対する南アフリカ学生国民連合(NUSAS)に最初参加したが、白人学生との共闘より黒人意識の変革が重要であると自覚し、1969年7月全黒人南アフリカ学生組織(SASO)を結成し、翌1970年NUSASから分裂した。以後、黒人意識運動は学生以外にも広まり、1972年には黒人会議Black People's Convention(略称BPC)が結成され、ビコは名誉会長になった。運動と並行して文筆活動を行い、同年大学を追放され、保安警察監視下でキングウィリアムズタウン内に行動は制限された。しかし文筆活動を続けたためその間たびたび逮捕され、1977年8月には五度目の逮捕で警察の拷問を受け、9月12日留置所内で死亡した。この事件が明らかになると世界各地の人々が南アフリカの人種主義政策を激しく非難した。

[林 晃史]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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