ピレトリン(その他表記)pyrethrin

翻訳|pyrethrin

デジタル大辞泉 「ピレトリン」の意味・読み・例文・類語

ピレトリン(pyrethrin)

除虫菊に含まれる成分。淡黄色の油状物質。昆虫に対する殺虫効果は大きいが人畜に対する毒性は低く、蚊取り線香などに用いる。類似構造をもつ化合物ピレスロイドといい、合成される。

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精選版 日本国語大辞典 「ピレトリン」の意味・読み・例文・類語

ピレトリン

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Pyrethrin ) 除虫菊の花に含まれる殺虫成分の総称

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改訂新版 世界大百科事典 「ピレトリン」の意味・わかりやすい解説

ピレトリン
pyrethrin

ジョチュウギクシロバナムシヨケギク)の花に含まれる天然殺虫性物質で,原産地である中央アジア,カフカス地方で,19世紀に入りその乾燥花が殺虫剤として用いられ始めた。現在では,アフリカのケニアタンザニアが主生産国である。ジョチュウギクの殺虫成分はピレスロイドと総称され,ピレトリンⅠ,Ⅱ,シネリンⅠ,Ⅱ,ジャスモリンⅠ,Ⅱの6種からなる。いずれもシクロプロパン環を有する酸と5員環環状ケトンアルコールとのエステル体である。

実用には,除虫菊剤あるいはピレトリン剤(商品名P.G.P.,パイベニカ)として,粉剤,乳剤,エアゾルとして用いられる。ハエ,カなどの衛生害虫に対してすぐれた殺虫力を示し,速効的で飛翔(ひしよう)昆虫に対してノックダウン効果を示すことが特徴的である。ピレトリンの哺乳類に対する急性毒性は,50%致死量LD50=273~796mg/kg(マウス,経口)と低い。殺虫力はピレトリンⅠ,Ⅱがシネリン,ジャスモリンより強く,またノックダウン効果は,ピレトリンⅠがⅡより強力である。また,ピレトリンをモデル化合物とした合成ピレスロイドの開発研究が盛んで,アレスリンレスメスリンなどが開発された。また最近になって,酸部分をも改変したジフルベンズロン,フェノキシカルブ,ブプロフェジンなどのNRDC系やシクロプロパン環を含まないフェンバレラート,さらにはエステル構造を含まないエトフェンプロックスなどのきわめて強力な殺虫剤が開発され,従来主として衛生害虫の防除に利用されていたピレスロイドも農業用殺虫剤として注目されるようになった。
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百科事典マイペディア 「ピレトリン」の意味・わかりやすい解説

ピレトリン

ピレスロイドとも。除虫菊の殺虫有効成分。化学的にはピレトリンI,II,シネリンI,IIなどからなる淡黄色粘稠(ねんちゅう)の油状物質。昆虫の気門表皮から体内に入り神経を麻痺(まひ)させる。殺虫力は強いが人畜毒性はきわめて低い。残効が弱いのが欠点。蚊取線香のほか,粉剤,乳剤,エキスなどにして用いる。
→関連項目ジョチュウギク(除虫菊)

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栄養・生化学辞典 「ピレトリン」の解説

ピレトリン

 C21H28O3(mw328.45).

 ピレスリンともいう.シロバナムシヨケギクに含まれる殺虫成分.ピレトリン I(図), II がある.

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化学辞典 第2版 「ピレトリン」の解説

ピレトリン
ピレトリン
pirethrin

[別用語参照]ピレスロイド

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