ピーター・ヒッグス(読み)ぴーたー・ひっぐす

知恵蔵mini 「ピーター・ヒッグス」の解説

ピーター・ヒッグス

英国の理論物理学者。フルネームはピーター・ウェア・ヒッグス。1929年5月29日、英国ニューカッスル生まれ。47年にキングス・カレッジ・ロンドンへ進学し、51年に修士号、54年に博士号を取得。同年よりエディンバラ大学の上級研究員となり、56年からはユニバーシティ・カレッジ・ロンドンやインペリアル・カレッジ・ロンドンで研究員などを務めた。60年にエディンバラ大学テイト研究所の数理物理学講座の講師に就任し、80年に教授に昇格。83年には王立協会会員、91年には英国物理学会フェローに選ばれた。96年に引退し、以降はエディンバラ大学の名誉教授を務めている。彼は64年に、宇宙空間を満たし物質に質量を与える「ヒッグス粒子」の存在を予言したが、2012年、その実在が欧州合同原子核研究所によって証明された。これにより、1964年に物質に質量が生じる仕組みを解明したベルギーの理論物理学者フランソワ・アングレール(ブリュッセル自由大学名誉教授)と共に、ヒッグス粒子の発見に果たした功績が認められ、2013年のノーベル物理学賞を受賞した。

(2013-10-11)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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