ファン・アイク[兄弟](読み)ファンアイク

百科事典マイペディア 「ファン・アイク[兄弟]」の意味・わかりやすい解説

ファン・アイク[兄弟]【ファンアイク】

フランドル画家兄弟。兄フーベルトHubertの生涯や作品はほとんど知られていない。弟ヤンJan〔1390ころ-1441〕は若いころ一時ハーグにいたが,1425年ブルゴーニュのフィリップ善良侯の宮廷画家となり,1431年以降ブルッヘで活動。油絵の大成者としても名高い。作品は《アルノルフィーニ夫妻》(1434年,ロンドン,ナショナル・ギャラリー蔵),《官房長ロランの聖母》(1435年ころ,ルーブル美術館蔵),《画家の妻マルガレーテの肖像》(1439年,ブリュージュ,市立フローニンゲン美術館蔵)など。ヘントのシント・バーフ聖堂を飾る祭壇画(《ヘントの祭壇画》)は,兄が着手し,その死後弟が1432年完成したもので,時代に先がける徹底した写実精神と,高度の油絵技法とにより,欧州絵画史上の記念碑的作品といわれる。
→関連項目油絵アントネロ・ダ・メッシナクリストゥス祭壇ファン・デル・ウェイデンファン・デル・フースフランドルフランドル美術フレマールの画家ヘント

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android