フェオファン・グレッグ(読み)ふぇおふぁんぐれっぐ(英語表記)Феофан Грек/Feofan Grek

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェオファン・グレッグ」の意味・わかりやすい解説

フェオファン・グレッグ
ふぇおふぁんぐれっぐ
Феофан Грек/Feofan Grek
(1340?―1405?)

ビザンティンおよび古代ロシアで制作した画家。名前はギリシア人フェオファン(テオファノス)の意。代表作は、ノブゴロドのイリーナ通りにあるスパソ・プレオブラジェニエ教会堂の壁画であるが、そこには禁欲主義に貫かれた修道思想が反映しており、苦行僧たちはときに激怒した表情を示している。このほかモスクワ・クレムリン内のブラゴベシチェンスキー大寺院にも彼の作とされている多くのイコンがある。彼はシメオン・チョールヌイやアンドレイ・ルブリョフらとも仕事をしており、ルブリョフの登場前のもっとも優れたイコン画家の1人といえよう。

木村 浩]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android