フェニルグリシン

化学辞典 第2版 「フェニルグリシン」の解説

フェニルグリシン
フェニルグリシン
phenylglycine

C8H9NO2(151.16).フェニル基の位置により(a),(b)がある.
(a)はα-アミノフェニル酢酸,α-アミノ酸の形をもつが,このままの形ではタンパク質中,遊離状態ともに見いだされていない.L-フェニルグリシンは抗生物質の構成成分,D-フェニルグリシンの誘導体はアヤメ属Iris tingitana,ゴウダソウ属Lunaria annua,モクセイ属Reseda luteolaに見いだされている.α-アミノベンゾニトリルの加水分解により合成できる.DL-フェニルグリシンは光輝ある小板状結晶.255 ℃(昇華).酸,アルカリに易溶,有機溶媒に不溶.L-フェニルグリシンは融点305~310 ℃.-157.8°(希塩酸).セファロスポリンセファレキシンペニシリンなどの合成原料.
(b)はアニリノ酢酸,N-フェニルグリシンにあたる.インジゴの合成中間体として,モノクロロ酢酸アニリンから合成される.融点127~128 ℃.水に可溶.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android