フェライト相(鉄)(読み)フェライトソウテツ

化学辞典 第2版 「フェライト相(鉄)」の解説

フェライト相(鉄)
フェライトソウテツ
ferrite phase(iron)

体心立方構造のα鉄,δ鉄,およびこれらの鉄に他元素が固溶した相の組織名.固溶元素の種類によりフェライトの存在範囲を拡大するものと,逆にオーステナイトの存在範囲を拡大してフェライトの存在範囲を狭めるものとがある.周期表マンガンを除けば,鉄の左側の遷移元素はフェライトを安定化し,一方,鉄の右側の元素は逆にオーステナイトを安定化する.キュリー点合金元素の種類および濃度によって変化する.フェライト中への炭素の最大固溶量は727 ℃ で0.02% である.構造用鋼などの鋼材は,ほとんどフェライト系鋼材である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android