フッカー(Sir Joseph Dalton Hooker)(読み)ふっかー(英語表記)Sir Joseph Dalton Hooker

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

フッカー(Sir Joseph Dalton Hooker)
ふっかー
Sir Joseph Dalton Hooker
(1817―1911)

イギリスの植物地理学者。サフォーク県ヘールズワースに生まれる。父のウィリアムSir William Jackson Hooker(1785―1865)はキュー植物園長を務めた。1839年グラスゴー大学で医学博士学位を得たのち、ロスの南氷洋探検隊に副外科医として参加。のち、インド北部の辺境地方への探検旅行を行った。著書は『南極地方植物誌』Flora Antarctica(1844~1847)その他がある。『種の起原』の著者ダーウィンは、フッカーを「私の生涯を通じて最良の友の一人」とよんで深く信頼した。フッカーはライエルといっしょに、渋るダーウィンを励まして彼の主著の出版を決行させた。また、ハクスリーとともに、進化論的哲学者スペンサーに生物学上のアドバイスを与えた。後年、父を継いでキュー植物園長に就任した。

[渋谷寿夫]

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