フビライ=ハン(英語表記)Khubilai Khan

旺文社世界史事典 三訂版 「フビライ=ハン」の解説

フビライ=ハン
Khubilai Khan

1215〜94
モンゴル帝国第5代の皇帝(在位1260〜94)。元の世祖(在位1271〜94)
チンギス=ハン(太祖)の孫。トゥルイの次子。兄のモンケ=ハンのとき,大理国・チベットを平定し,兄とともに中国を攻略。兄の急死後,弟のアリクブカおさえ,上都で大ハン位についた。ついで1264年大都(現在の北京)に遷都し,71年国号を元と称した。1279年には南宋を滅ぼして,中国を統一。安南・ビルマ・ジャワを従え,高麗を属国とし,日本の征服も企てた(元寇)が,失敗に終わった。中国統治には,中国的官制の採用,統一通貨(交鈔 (こうしよう) )の発行,税制の確立など中国王朝化をはかった。同時にペルシア人や契丹人,漢人でも優秀な人材を登用して活性化をはかった。ユーラシアの東西交易は駅伝制を基盤として発展し,海の道とリンクされて東西円環ネットワークが生まれた。また,モンゴル慣習法の維持,パスパ文字の作製使用,チベット仏教の尊信,モンゴル語の公式使用を行った。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

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