ブドウ(葡萄)(読み)ブドウ

百科事典マイペディア 「ブドウ(葡萄)」の意味・わかりやすい解説

ブドウ(葡萄)【ブドウ】

ブドウ科の落葉つる植物。小アジア〜中央アジア原産のヨーロッパブドウと北米原産のアメリカブドウとがある。茎は葉に対生する巻きひげで他物をよじのぼり,葉は掌状に浅い切れ込みがある。夏,新枝に円錐花序を出し,黄緑色の小花を開く。果実は多汁で甘酸っぱく,果皮の色は淡黄,緑,紫,黒など品種により異なる。栽培の歴史は古く,今日では多くの品種に分化。日本の甲州ブドウはヨーロッパ系で露地(棚栽培)で作られるが,ヨーロッパ系の他の品種(マスカット・オブ・アレキサンドリアなど)は露地栽培が難しく,温室で栽培される。アメリカ系のデラウェア,キャンベル・アーリーなどは露地栽培される。また種なしブドウには無核品種のほか,ジベレリン処理により単為結果させたものがあり,日本ではほとんどが後者。主要生産国はイタリア,フランス,米国,スペインなど,日本では山梨長野,山形などが多い。果実は生食用のほか,干しブドウジャムゼリー,ジュース,ブドウ酒などに利用。

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