日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ブラガ(Lucian Blaga)
ぶらが
Lucian Blaga
(1895―1961)
ルーマニアの詩人、哲学者。トランシルバニアに生まれる。神学校に学んだのち、ウィーン大学で哲学博士の学位を得た。1938年にクルージュ大学の文化哲学講座の主任教授に任命された。非合理主義を基調とし、独特の民族学的神話に彩られた彼の哲学は「認識の三部作」「文化の三部作」「価値の三部作」(1943~1946)に集大成されている。また、故郷の自然美を歌い、深い哲学的思索を表現した詩作品には『光の詩』(1919)、『眠りへの賛歌』(1929)、『分水界で』(1933)などがある。ほかに劇作、翻訳もある。
[直野 敦 2015年11月17日]