ブラディカ(英語表記)vladika

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブラディカ」の意味・わかりやすい解説

ブラディカ
vladika

モンテネグロの主教君主称号。本来スラブ系ギリシア正教会の司教,大司教,府主教に与えられた名誉称号。モンテネグロではオスマン帝国に対する民族闘争において政治と宗教が密接に結びついていたため,またツルノイェビッチ朝の君主が国外に居住することが多かったために,1516年同朝が断絶するに及んで世俗権が首都ツェティニェの府主教に移譲された。主教君主は聖職者の集会で選挙され,ペーチの総主教から承認を受けた。 1696年ニェゴシュ朝の祖 P.ダニーロが選出されるとともに世襲制となったが,主教は妻帯を禁じられていたので叔父から甥へという変則的な形がとられた。 1851年ダニーロ1世の改革によって世俗権と宗教権が分離,主教君主制は廃止された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android