ブレスト(フランス)(読み)ぶれすと(英語表記)Brest

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブレスト(フランス)」の意味・わかりやすい解説

ブレスト(フランス)
ぶれすと
Brest

フランス西部、フィニステール県港湾都市。人口14万9634(1999)、13万9163(2015センサス)。ブルターニュ半島の先端部、ブレスト湾に面する。ローマ時代からの港で、1342~97年イギリスが占領。ブルターニュ公国の帰趨(きすう)に伴って1532年フランス王領となる。17世紀に軍港となり、J・B・コルベールによって整備され、ボーバン要塞(ようさい)化した。現在、大西洋岸ではフランス最大の軍港となり、海軍工廠(こうしょう)、兵学校が置かれている。商港としても重要で、イギリスとの貿易が盛ん。後背地が狭く、大都市から隔たっているため工業化が遅れてきた。しかし、鉄道、道路網、空港を整備することにより、火力発電所や電気機械(とくにレーダー、通信機械)、造船、化学、既製服製造などの工業が発達した。大学、ブルターニュ海洋研究所、国立海洋開発研究所が立地するなど、1960~1970年代、人口増加が著しく、とくに周辺の農村部から人口が流入した。第二次世界大戦中、ドイツ軍の潜水艦基地となったため連合国軍の猛爆撃を受け、甚大な被害を受けた。美術館は再建され、17~19世紀絵画のコレクションがある。

[高橋伸夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ブレスト(フランス)」の意味・わかりやすい解説

ブレスト(フランス)【ブレスト】

フランス西端,ブルターニュ半島突端にあるフィニステール県の港市。ルイ13世時代からの要塞(築造ボーバン参画)で,フランス最大の海軍基地海軍兵学校,海軍工廠,造船所があり,貿易港としても重要。1940年―1944年ドイツ軍の潜水艦基地。14万4548人(2006),都市圏人口20万6394人(2006)。
→関連項目ブルターニュ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android