ブロモ酢酸(読み)ブロモサクサン

化学辞典 第2版 「ブロモ酢酸」の解説

ブロモ酢酸
ブロモサクサン
bromoacetic acid

通常モノブロモ酢酸をさす.【】モノブロモ酢酸:C2H3BrO2(138.95).BrCH2COOH.酢酸と無水酢酸の混合物をピリジンに溶かし,臭素を作用させると得られる.無色のりょう面結晶.融点49~50 ℃,沸点208 ℃,118 ℃(2 kPa).1.934.pKa 2.903(25 ℃).[CAS 79-08-3]【】ジブロモ酢酸:C2H2Br2O2(271.85).CHBr2COOH.沸騰している酢酸に必要量の臭素を滴下して合成される.融点48 ℃,沸点232 ℃(分解),128~130 ℃(2.1 kPa).[CAS 631-64-1]【】トリブロモ酢酸:C2HBr3O2(296.74).CBr3COOH.トリクロロ酢酸と臭素との反応によって得られる.融点135 ℃,沸点245 ℃(分解).[CAS 75-96-7]いずれも水,エタノール,エーテルに易溶,石油エーテルに難溶.種々の合成原料に用いられるが,腐食性があり,皮膚をおかすので取り扱いに注意を要する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android