プラスチック軸受(読み)プラスチックじくうけ(英語表記)plastic bearing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プラスチック軸受」の意味・わかりやすい解説

プラスチック軸受
プラスチックじくうけ
plastic bearing

軸受材料にプラスチックを用いたすべり軸受をいう。軽量で腐食されにくく,軸とのなじみがよいうえに,静かに運転できる利点をもつが,一般に機械的強度,耐熱性,放熱性に欠け,熱膨張変形膨潤などが大きい。したがって,特殊なものを除けば,主として低速,低荷重の小型機器に用いられる。材料にはフェノール樹脂ポリアミド樹脂フッ素樹脂,その他の樹脂が使用される。フェノール樹脂製は,水潤滑のときに摩擦係数が小さいので,圧延機の軸受 (ロールネック) やポンプなどの軸受に使用される。ポリアミド樹脂製は自己潤滑性があり,潤滑剤のないほうが摩擦係数が小さい。金属に薄く貼合せて,潤滑剤が嫌われるところに利用される。フッ素樹脂製は耐熱性にすぐれているが,耐摩耗性に欠けるので,金属粉末,ガラス,二硫化モリブデンなどを充填したものが多く用いられる。なお,テフロン膜と金属との接着性がよくないので,多孔質材に含浸させたテフロン含浸軸受がある。 250℃程度まで無潤滑軸受として使用される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android