改訂新版 世界大百科事典 「プロピライト」の意味・わかりやすい解説
プロピライト
propylite
安山岩や石英安山岩などの火山岩の熱水変質作用により生じた緑色の岩石。変朽(へんきゆう)安山岩とも呼ぶ。鉱床を取り巻く原岩が熱水の作用により変質する場合の〈母岩の変質〉の一つであって,日本では特に第三紀に形成された金,銀,銅,鉛,亜鉛の鉱脈型の鉱床の母岩の変質にみられる例が代表的なものである。また,このような鉱床の探鉱を行う場合の手がかりとして利用される場合もある。しかし鉱床生成とは別に,広い地域にわたり同一地層がこの種の岩石となっている場合もある。原岩中のマフィックな鉱物が緑泥石に変化したため緑色が生じたが,その他の原岩中の長石類はナトリウム斜長石に変化し,さらに方解石,緑レン石なども生成してその組織はち密に変化する。微粒の黄鉄鉱の生成や空隙中での沸石類の生成がみられることもある。
執筆者:湊 秀雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報