ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸カリウム(読み)ヘキサシアノテツサンカリウム

化学辞典 第2版 の解説

ヘキサシアノ鉄(Ⅱ)酸カリウム
ヘキサシアノテツサンカリウム
potassium hexacyanoferrate(Ⅱ)

K4Fe(CN)6(368.35).フェロシアン化カリウム(potassium ferrocyanideまたはpotassium ferrocyanate),黄血塩(黄血カリ)(yellow prussiate of potash)ともいう.Fe塩水溶液にシアン化カリウムを加えるか,シアン化ナトリウムでNa塩をつくってから,複分解でK塩とする.正八面体型の [Fe(CN)6]4- を含むイオン結晶.Fe-C約1.89 Å.普通は,三水和物で単斜晶系の結晶.密度1.88 g cm-3.反磁性.三水和物は,熱すると約100 ℃ で無水物となる.空気中で安定である.錯形成が強いのでCNによる毒性はない.日光で徐々に分解する.エタノールに不溶,水に易溶.水溶液は保存すると徐々に分解する.水溶液をハロゲン,H2O2などの酸化剤で酸化すると,K3[Fe(CN)6](赤血塩)を生じる.顔料(プルッシアンブルー)の製造原料,医薬品,写真用,赤血塩製造の原料,鋼の焼入れなどに用いられる.[CAS 13943-58-3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android