ベイツ(読み)べいつ(英語表記)Herbert Ernest Bates

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベイツ」の意味・わかりやすい解説

ベイツ
べいつ
Herbert Ernest Bates
(1905―1974)

イギリスの小説家。短編名手ノーサンプトンシャー生まれ。グラマー・スクールを出て、地方新聞の記者や事務弁護士の書記を経て20歳で処女作発表。以後次々と出した小説では田舎(いなか)の生活を扱い、農民の悲劇を簡潔な文体で叙情的に描く一方、『サイラス叔父さん』(1940)のようなフランソア・ラブレー風ユーモアのあるものも描いた。第二次世界大戦中は従軍作家として飛行士官に任命され、『最も偉大な人々』(1942)や飛行士の冒険と恋を描いた『フランスに勝目あり』(1944)などを出版。戦後ふたたび農村の主題に戻り、ラーキン家という豪放な家族を登場させた『5月の愛らしい蕾(つぼみ)』(1958)などの連作を発表した。晩年に書いた四部作の自伝もある。

[安達美代子]

『八木毅訳『ベイツ短篇集』(1967・八潮出版社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android