ベグラム(読み)べぐらむ(英語表記)Begram

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベグラム」の意味・わかりやすい解説

ベグラム
べぐらむ
Begram

アフガニスタンの首都カブールから北方約60キロメートルにある都城跡ヒンドゥー・クシ山地南麓(なんろく)を流れるパンシール川沿いに立地し、インドおよび中央アジア方面への交通の要所にあった。1930年代から40年代にかけフランスの考古学者を中心に発掘が行われ、3時期の建物群を確認している。ギルシュマンはⅠ期を第一クシャン朝時代、Ⅱ期を第二クシャン朝時代にあてた。Ⅱ期には城壁がつくられ、インド、中国や地中海方面から伝来した多くの遺物が発見されている。Ⅲ期はクシャンの再興期のものと考えた。フランスの東洋学者フーシェはベグラムを、玄奘(げんじょう)の『大唐西域記(だいとうさいいきき)』にみえる迦畢試(かぴし)Kapisi国の新王都に比定した。

[寺島孝一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android