ベーダ(歴史家、神学者)(読み)べーだ(英語表記)Beda

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ベーダ(歴史家、神学者)
べーだ
Beda
Baeda
(673ころ―735)

イギリスの歴史家、神学者。ビードBedeともいわれ、その学識、人格のために「尊敬すべきベーダ」Beda Venerabilisと通称される。ヘプターキー(七王国)時代にキリスト教文化を誇っていたノーサンブリアの出身で、ベネディクト・ビスコプBenedict Biscobに師事し、ジャロー修道院で研究と著作に従事した。『イギリス教会史』の著者として有名であるが、『聖クースバート伝』『修道院長の歴史』その他多くの著作がある。彼の友人で弟子、のちにヨーク大司教となったエグバートEgbert(?―766)への書簡もノーサンブリアの教会、歴史を知るうえで史料的価値が高い。アンブロシウス、アウグスティヌスら教父の作品に拠(よ)っていたが、文法、暦にも通じ、ギリシア語にも造詣(ぞうけい)があった。

[富沢霊岸 2017年12月12日]

『長友栄三郎訳『イギリス教会史』(1965・創文社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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