ベーム(Theobald Boehm)(読み)べーむ(英語表記)Theobald Boehm

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ベーム(Theobald Boehm)
べーむ
Theobald Boehm
(1794―1881)

ドイツのフルート奏者、フルート製作者、金細工師、製鉄業者。主としてミュンヘンで活躍した。金細工師の父の影響で加工技術に幼少から才能を示し、17歳にしてすでに当時のフルートの機構に不満を覚え、改作を試みた。これがカペラーの目に留まり、正式の製作技術を教授されることになった。宮廷音楽家としての活躍、パリロンドンへの演奏旅行といった音楽実践に裏づけられた楽器改良の視点は、先細の内管をくふうして柔らかい音色を求めたり、指孔の操作をすばやく効果的に行うためのキー(鍵)機構の考案へと向けられた。1847年には、その前の10年間の製鉄工場長としての雑務から解放されてフルートに専念できたため、今日「ベーム式」として知られる型の基本を完成した。

山口 修]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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