日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ペリー・ローダン・シリーズ
ぺりーろーだんしりーず
Perry Rhodan Series
ドイツのSF作家、K・H・シェールとクラーク・ダールトンを中心に、1961年以来、十数人の作家が交替で書き継いでいる世界最長のSFシリーズ。人類史上初めて月面に到着したアメリカの宇宙飛行士ペリー・ローダンは、不時着した巨大な宇宙船を発見して、人類そっくりの男女2名の生存者を救出する。彼らは地球から3万4000光年かなたの星系に住むアルコン人で、不老不死の秘密を握る放浪惑星ワンダラーを求めてこの太陽系にやってきたのである。地球とは比較を絶するほど進歩した科学を伝授されたローダンは彼らを連れてゴビ砂漠の中央に帰還し、米ソ中の三大ブロックに次ぐ地球の第四勢力となることを世界中に宣言する。アルコン人の超科学を人類に伝えれば、地球はふたたび争奪戦を展開して悲惨な結果を迎えるからだ。しかしアルコン人を迎えた地球は、外宇宙の異生物たちの侵略の的となる。第一巻『大宇宙を継ぐ者』に始まる現代版スペース・オペラで、邦訳版でも100巻（2話で1巻）を超えている。
［厚木 淳］
『松谷健二他訳『ペリー・ローダン・シリーズ』（ハヤカワ文庫SF）』